Letter

進化:硬骨魚類様の鰓弓を有する古生代のサメ

Nature 509, 7502 doi: 10.1038/nature13195

鰓の内部には、連続的に整列した関節のある内骨格性の支持構造があり、このような内臓弓・鰓弓(visceral branchial arch)の進化は、その後に顎が進化するための形態的な基盤となったことから、有顎脊椎動物(顎口類)の初期進化史における重要な事象の1つだと考えられている。しかし現在までのところ、初期顎口類の内臓弓について分かっていることはほとんどなく、鰓弓の進化に関する理論は、主として現生の軟骨魚類および硬骨魚類の両者から得られた情報によって導かれたものである。新たな化石の発見は、原始的特徴と派生的特徴の未知の組み合わせを明らかにして、進化史の解明に大きな影響を及ぼす場合がある。本論文では、3億2500万年前の古生代のサメ様化石について報告する。これは、完全な鰓の骨格が本来の部位で三次元的に保存されている軟骨魚類の化石として、我々の知るかぎりで最古のものである。その内臓弓の配列は硬骨魚類に極めて近く、これがクラウン顎口類の共通祖先の状態に当たる可能性が示唆された。従って今回の知見は、クラウン有顎脊椎動物が持つ一部の鰓弓構造の極性を再解釈するものであり、現生サメ類が祖先の状態を維持しているという旧来の仮説を否定している。本研究は、有顎脊椎動物の進化史を解明する上で初期軟骨魚類が重要であることを強く示している。

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