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生化学:Mfsd2aは必須のオメガ3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸の輸送体である

Nature 509, 7501 doi: 10.1038/nature13241

ドコサヘキサエン酸(DHA)は、脳の正常な成長と認知機能に必須のオメガ3脂肪酸である。脳におけるその重要性と合致して、脳のリン脂質中のDHA濃度は他よりもずっと高い。脳のリン脂質中に豊富に存在する脂肪酸であるにもかかわらず、DHAは脳でde novo合成されないので、血液脳関門を越えて取り込まなくてはならないが、脳でのDHA取り込みの機構はいまだに解明されていない。今回我々は、major facilitator superfamilyに属し、これまでオーファン輸送体とされてきたMfsd2aが、脳へのDHA取り込みの主要な輸送体であることを明らかにした。Mfsd2aは、微小血管の血液脳関門の内皮だけに発現することが分かった。リピドミクス解析から、Mfsd2a欠損(Mfsd2aノックアウト)マウスでは脳内DHA濃度が顕著に低下し、それに伴って海馬と小脳での神経細胞の喪失に加えて、認知障害、重度の不安、小頭症が生じる。細胞を用いた解析では、Mfsd2aは意外にも、DHAを非エステル化脂肪酸の形ではなく、リゾホスファチジルコリン(LPC)の形でナトリウム依存的に輸送していることが示された。Mfsd2aは、オレオイルLPCやパルミトイルLPCなどの、長鎖脂肪酸を持つ一般的な血漿LPCは輸送するが、炭素数が14以下のアシル酸を持つLPCは輸送しないことは注目すべきである。さらに、LPCのリン酸両性イオンである頭部が輸送に重要であることも明らかになった。Mfsd2aノックアウトマウスでは、標識化したLPC DHAなどのLPCの血漿から脳への取り込みが顕著に低下していたことは重要であり、Mfsd2aがDHAの脳への取り込みに必要であることが実証された。今回の知見は、脳の成長と機能に血漿由来LPCが予想外の重大な生理機能を果たしていることを明らかにしている。

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