Letter
構造生物学:YidCによるSec非依存的膜タンパク質組み込みの構造基盤
Nature 509, 7501 doi: 10.1038/nature13167
新たに合成された膜タンパク質が正しい機能を発揮するためには、膜に正確に組み込まれ、折りたたまれ、集合する必要がある。タンパク質YidCは、その基質を膜に組み込み、それによって細菌での膜タンパク質の集合を促進している。YidCと相同なタンパク質Oxa1はミトコンドリアで、Alb3は葉緑体で、それぞれ同じ機能を果たしている。細菌の細胞膜で、YidCは独立した組み込み酵素として、またトランスロコンSecYEGと協働する膜シャペロンとして働く。今回我々は、好アルカリ性細菌(Bacillus halodurans)由来YidCの2.4 Å分解能の結晶構造を示す。この構造から、新規な折りたたみ様式が明らかになった。すなわち、5本の保存された膜貫通ヘリックスが正に荷電した親水性の溝を形成し、その溝は脂質二重層と細胞質へは開いているが細胞外側では閉じている。構造に基づくin vivo解析により、溝の中の保存されたアルギニン残基が、YidCによる膜タンパク質の組み込みに重要であることが分かった。我々は、基質の細胞外領域が、溝が作る親水性環境によって誘電率の低い膜環境に引き込まれるという、一回膜貫通型タンパク質の組み込み機構を提案する。

