Letter

化学:酸化物由来ナノ結晶銅上での一酸化炭素の液体燃料への電解還元

Nature 508, 7497 doi: 10.1038/nature13249

CO2とH2Oを電気化学的に液体燃料に変換することは、高密度再生可能エネルギー貯蔵にとって理想的であり、CO2回収に動機を与える可能性がある。しかし、CO2やその誘導体を還元して望ましい燃料にする高効率電解触媒は、現時点では得られていない。CO2を一酸化炭素(CO)に還元できる触媒は多いが、液体燃料合成にはH2OをH+源に用いてCOをさらに還元する必要がある。銅(Cu)は明らかなCO電解還元活性を示す唯一の既知材料だが、バルク状態では液体燃料合成の効率と選択性が低過ぎるため実用化できない。特に、極端な過電圧をかけないかぎり、Cu電極上ではCO還元よりもH2OのH2への還元の方が優先的に進む一方、極端な過電圧の下では気体状炭化水素が主なCO還元生成物となる。今回我々は、Cu2Oから作製されたナノ結晶性Cu(「酸化物由来Cu」)が、CO飽和アルカリ性H2O中で、低めの電圧(可逆水素電極に対して−0.25~−0.5 V)において、最高57%のファラデー効率で多炭素酸素化物(エタノール、酢酸イオン、n-プロパノール)を生成することを示す。比較のため、従来の蒸気凝縮法で酸化物由来Cuと同等の平均結晶子サイズを持つCuナノ粒子を作製して用いたところ、同一条件下においてほぼH2のみが発生した(ファラデー効率96%)。我々の結果は、酸化物格子という制約された環境から、互いにつながったナノ結晶を成長させることによって、難しいことで有名なこの反応に適するようにCu本来の触媒特性を変えられることを実証している。この触媒には、エタノールが主生成物となるような酸素化物選択性があり、再生可能電力により駆動されるCO2の液体燃料への2段階変換反応が実現可能であることが示される。

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