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血管生物学:毛細血管の周皮細胞は健康時および病態時の脳血流量を調節する
Nature 508, 7494 doi: 10.1038/nature13165
ニューロンの活動によって引き起こされる脳血流量の増加は、神経による演算を増強し、BOLD(血中酸素濃度依存性)機能的画像化法の基盤となっている。血流が細動脈の平滑筋のみによって制御されているのか、それとも毛細血管の周皮細胞によっても制御されているのかについては意見が分かれている。本論文では、ニューロン活動と神経伝達物質であるグルタミン酸がメッセンジャーの放出を誘導し、これにより周皮細胞が能動的に弛緩して毛細血管を拡張させることを明らかにする。血管の拡張には、プロスタグランジンE2が介在しているが、血管を収縮させる20-HETEの生合成を抑制するための一酸化窒素放出も必要である。in vivoでは、感覚入力によって血流量が増加すると、細動脈が拡張する前に毛細血管が拡張し、これが血流増加量の84%をもたらすと推定される。病態時には、虚血が周皮細胞による毛細血管の収縮を引き起こす。我々は、これに続いて周皮細胞の硬直状態での死が起こることを明らかにした。この細胞死によって毛細血管が不可逆的に収縮されて、血液脳関門が傷害されるらしい。従って、周皮細胞は脳血流量の主要な調節因子であり、機能的画像化シグナルの発動因子である。周皮細胞の収縮と死を防ぐことで、脳卒中後にニューロンを傷害する長時間の血流量減少を軽減できる可能性がある。

