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免疫:母体のレチノイドは3型自然リンパ球を制御して仔の免疫を設定する
Nature 508, 7494 doi: 10.1038/nature13158
胎児期の栄養状態が、成体になったときの全体的な健康に対して影響を及ぼすことは認識されてきたが、発生中の免疫系への食餌の影響についてはほとんど分かっていない。二次リンパ器官の発生は胚発生中に起こり、発生的にプログラムされていると考えられている。二次リンパ器官の形成は、LTi(lymphoid tissue inducer)細胞と呼ばれる3型自然リンパ球(ILC3)サブセットに依存している。本研究では、出生前のマウス胎仔のILC3は細胞自律的なレチノイン酸(RA)シグナル伝達により制御されており、これによって成体期の免疫適応性があらかじめ設定されることを示す。我々は、胚性リンパ器官がILC前駆細胞を含み、これらが局所で成熟LTi細胞に分化することを見いだした。局所的なLTi細胞の分化は、母親のレチノイド摂取と、造血細胞自律的な様式で作用する胎仔のRAシグナル伝達により制御されていた。RAは転写因子RORγtの上流で、LTi細胞の成熟を制御していた。従って、Rorgtを強制発現させると、RAシグナル伝達が障害されていたLTi細胞の成熟が回復する一方、RA受容体はRorgt遺伝子座を直接制御していた。さらに我々は、母親の食餌のレチノイドのレベルが、仔が成体になったときの二次リンパ器官の大きさや、免疫応答効率を制御することを明らかにした。今回の結果は、母親が摂取する栄養と、感染への抵抗性に必要な仔の免疫構造形成の間に分子的なつながりがあることを示している。

