Letter
光物性:無反跳γ線光子の波形のコヒーレント制御
Nature 508, 7494 doi: 10.1038/nature13018
コヒーレント光学、非線形光学、量子光学の概念と発想は、軟γ線放射(放射が原子核遷移で発生する場合に使われる用語)、あるいはこれと同等の硬X線放射(放射が電子運動により発生する場合に使われる用語)に相当する10~100 KeVの範囲の光子エネルギーへ拡張されている。このエネルギー領域における最近の実験成果には、ランジュバン領域におけるパラメトリック下方変換の実証、共振器における電磁誘導透過、集団的ラムシフト、原子コヒーレンスの真空に支援された発生、原子核吸収多層構造体における単一光子の再生などがある。さらに、単一光子のコヒーレント貯蔵や誘導ラマン断熱通過のこの領域における実現も最近提案されている。最近の概説で、より関連した研究が論じられている。しかし、γ線光子と原子核集団の相互作用をコヒーレントに操作する手法の数は少ない。今回我々は、γ線光子の波形をコヒーレントに制御する効率のよい方法を提案し、実行している。特に、コヒーレント極短パルス列やダブルパルスへの個々の無反跳γ線光子の変換を実証している。我々の方法は、γ線光子と、共鳴遷移周波数が時間的に周期的に変調されている原子核集団の共鳴相互作用に基づいている。共鳴吸収体の一様な振動によって実現されるドップラー効果に起因する周波数変調によって、共鳴吸収と分散の両方が時間依存となるため、入射γ線光子の波形成形が可能になる。この手法によって、コヒーレント量子γ線光子光学という新分野が進展し、γ線光子/原子核集団インターフェースの実現や、原子核γ線遷移における量子干渉効果の基礎が得られると期待される。

