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生理学:線虫の寿命は成体早期におけるミトフラッシュの頻度によって予測される
Nature 508, 7494 doi: 10.1038/nature13012
ミトコンドリアが老化の生物時計として機能しているという説は、数十年前から存在するが、その証拠はまだ十分ではない。今回我々は、ミトコンドリアの機能と老化が強く結び付いていることを、in vivoでミトコンドリアフラッシュ[ミトフラッシュ(mitoflash)]を可視化することで示す。ミトフラッシュとは、ミトコンドリア1個レベルの遊離基(フリーラジカル)産生やエネルギー代謝を頻度として符号化して、光学情報の形で読み出したものである。線虫(Caenorhabditis elegans)の咽頭筋に見られるミトフラッシュ活動は、活発に生殖する成体3日目と、死ぬ個体が出始める成体9日目にピークになった。多数の遺伝的変異と環境因子は、寿命と3日目のミトフラッシュ頻度に対して逆方向の影響を与えた。同質遺伝子個体群の中でも、3日目のミトフラッシュ頻度と個体の寿命との間には逆の相関関係が見られた。さらに、グリオキシル酸回路の活性を増強すると、3日目のミトフラッシュ頻度が低下し、daf-2変異個体の寿命も短くなった。これらの結果は、3日目のミトフラッシュ頻度が、遺伝的、環境的、確率的因子のいずれの影響が関わる場合でも、線虫の寿命を予測するための強力な指標になることが実証された。また、老化の速度は、生殖が終了した後の生活でも調整可能ではあるが、生殖終了の前にかなりの程度まで決められているという説が裏付けられた。

