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分子生物学:ポリ(A)尾部のプロファイリングで明らかになった胚期の翻訳制御の切り替え

Nature 508, 7494 doi: 10.1038/nature13007

ポリ(A)尾部は、真核生物のメッセンジャーRNA(mRNA)のほとんどに存在し、その安定性と翻訳を増強する。しかし、ポリ(A)尾部は、その長さの網羅的測定が難しいために、機能のより詳しい解明はなかなか進んでいなかった。本研究では、塩基配列解読によるポリ(A)尾部の長さのプロファイリング(PAL-seq)について報告する。我々はこの手法を用いて、酵母、細胞株、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の葉、マウスの肝臓、ゼブラフィッシュおよびカエルの胚から単離した数百万個のRNAのそれぞれについて尾部の長さを測定した。ポリ(A)尾部の長さは、オルソロガスなmRNA間で保存されており、リボソームタンパク質をコードするmRNAや他の「ハウスキーピング」タンパク質は、より短い尾部を持つ傾向が見られた。予想されたように、ゼブラフィッシュとカエルの初期胚では尾部の長さが翻訳効率と結び付いていた。しかし、この強い結び付きは原腸形成期に減少し、胚以外の試料では見られなかったことから、翻訳制御の性質として、発生期に急激な切り替えが起こることが示唆された。この切り替えは、より初期に起こる接合子転写制御への切り替えを補完するものであり、マイクロRNAを介した脱アデニル化の主な影響が、翻訳抑制からmRNAの不安定化へと一斉に移行する理由の説明となる。

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