Letter
気候科学:海洋の弱光層における炭素収支の調整
Nature 507, 7493 doi: 10.1038/nature13123
海洋表面における光合成によって、1年当たり約100ギガトンの有機炭素が生み出され、そのうち5~15%が深海へ輸送される。沈降する炭素が深海の従属栄養生物によって二酸化炭素へ変換される速さは、海洋の炭素貯蔵の制御に重要である。しかし、海洋表層の炭素供給が、水柱の生物相の要求をどの程度まで満たしているかはまだよく分かっておらず、既知の炭素源と炭素シンクの違いは2桁にもなる。本論文では、現場計測の結果、呼吸速度の見積もり、炭素源と炭素シンクを北大西洋東部のポーキュパイン深海平原における観測の不確実性の範囲内で釣り合わせることができる定常状態モデルを示す。より大きな動物プランクトンが利用しやすい大きく急速に沈降する粒子の形で、有機炭素の大部分が移出されるにもかかわらず、弱光層(深さ50~1,000 m)において見積もられる再無機化の70~92%が原核生物によるものであることが分かった。急速に沈降する粒子の約半分を動物プランクトンが破壊して摂取し、そのうち30%以上が浮遊したりゆっくり沈降したりする物質として放出される可能性があるために、こうしたことが起こり、深海の微生物環が活性化されていると示唆される。弱光層における微生物と動物プランクトンの協働は、海洋の炭素シンクを制御する過程を解明するために重要である。

