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免疫:転写因子achaete-scute homologue 2は濾胞ヘルパーT細胞の発生を開始させる

Nature 507, 7493 doi: 10.1038/nature12910

免疫応答では、活性化したT細胞がB細胞濾胞内へ遊走して行き、そこで濾胞ヘルパーT(TFH)細胞に分化する。このTFH細胞は、胚中心誘導においてBリンパ球にヘルプを与えるのに特殊化したCD4+ T細胞サブセットであることが最近明らかにされた。Bcl6は、TFH細胞の機能に不可欠であることが明らかになっているが、Bcl6はT細胞の初期の遊走、あるいはTFHプログラムの誘導[C-X-Cケモカイン受容体5型(CXCR5)の発現上昇など]は調節していない可能性がある。今回我々は、塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス転写因子であるAscl2(achaete-scute homologue 2)の発現がTFH細胞で選択的に上昇していることを示す。Ascl2の異所性発現は、in vitroでT細胞でのCXCR5の発現を増加させるが、Bcl6の発現は増加させず、C-Cケモカイン受容体7(CCR7)の発現を低下させ、それに加えてマウスではin vivoで濾胞へのT細胞遊走とTFH細胞発生を促進する。全ゲノム関連解析から、Ascl2がTFH関連遺伝子を直接調節する一方で、1型ヘルパーT細胞(TH1)およびTH17に特徴的な遺伝子の発現を阻害することが示された。CD4+ T細胞でのAscl2急性除去やId3タンパク質によるAscl2の機能阻害は、TFH細胞の発生と胚中心応答を障害した。反対に、抗体を介する自己免疫を引き起こすことが知られているId3の変異は、TFH細胞発生を大きく亢進する。従って、Ascl2はTFH細胞発生を直接引き起こしている。

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