大気科学:低揮発性二次有機エアロゾルの大規模発生源
Nature 506, 7489 doi: 10.1038/nature13032
森林は、大気中に大量の揮発性有機化合物(VOC)を放出している。VOCの凝縮性酸化生成物は、至る所に存在する重要な大気エアロゾル成分である二次有機エアロゾルを形成し得る。この二次有機エアロゾルは、太陽放射を散乱し、雲凝結核となることで、地球の放射収支に影響を及ぼすことが分かっている。そのような気候への影響の定量的評価は、生物起源VOCが大気中二次有機エアロゾルの形成にどのように寄与するか十分理解されていないことなど、多くの要因によって依然として阻まれている。また、多くの大陸生態系において新たに形成される粒子が3 nm未満から雲凝結核のサイズである約100 nmに成長するには、本質的に不揮発性の有機蒸気を大量に必要とするが、そのような蒸気の発生源と組成はまだ分かっていない。今回我々は、チャンバー実験において大気関連条件下で、VOC、特にα-ピネンというテルペンの酸化について調べている。我々は、モノテルペンなどの数種の生物起源VOCから、極めて揮発性の低い大量の蒸気が形成される直接経路を見いだしている。こうした蒸気は、気相中でかなりの質量収率で形成され、エアロゾル表面に不可逆的に凝縮して二次有機エアロゾルを生成する。この結果は、観測される二次有機エアロゾルの大気負荷と多くのモデル研究で報告された大気負荷の不一致を説明するのに役立つ。さらに我々は、これらの低揮発性蒸気が、森林地帯上空のエアロゾル粒子の形成と成長を促進、あるいは支配すらする仕組みを明らかにし、これまで未解明であった生物起源VOCがエアロゾルに変換される過程を提示している。今回の結果は、生物圏–エアロゾル–気候フィードバック機構の評価と、生物起源放出物が一般的に大気環境と気候に及ぼす影響の評価を改善するのに役立つ可能性がある。

