Letter

地球化学:低温で保存されたマグマ結晶の急速な再流動

Nature 506, 7489 doi: 10.1038/nature12991

地球の上部地殻内部でのマグマの形成と貯蔵に関与する過程は、火山学において根本的に重要である。最大級のものを含む多くの火山噴火は、噴火の前に数万年から数十万年の間貯蔵された成分の噴出によって起こる。マグマの貯蔵と再流動化の物理的条件は、火山過程を理解する上で最も重要であるが、まだあまりよく分かっていない。結晶に富むマグマの噴出は、固相線に近い条件で貯蔵されたマグマの流動化を必要とすると提唱されることが多いが、噴出可能なマグマを大量に蓄積するには高温でさらに大量のマグマを貯蔵する必要があるとも論じられてきた。この論争に欠けていることは、マグマ貯蔵庫内部の熱的(従って物理的)条件と、貯蔵時間スケールつまり熱史を結びつける明確な観測的証拠である。本論文では、ウラン系列非平衡、結晶サイズ、結晶内の微量元素ゾーニングから得られた時間スケールを組み合わせて、そのような熱史を絞り込む方法を提示する。フッド山(米国オレゴン州)では、マグマが容易に流動化する臨界結晶度(40~50%)よりも高い温度にあったのは、マグマの全貯蔵期間のごくわずかな部分(最大で12%、おそらく1%よりずっと短い)であった。さらに、他の火山の部分的なデータセットでも、マグマ貯蔵の同様な条件が広範に見られ、従って固相線に近い温度で貯蔵されたマグマの急速な流動化が一般的であることが示唆されている。低温でのマグマ貯蔵は、鉱物組成に基づく温度圧力計算は結晶化条件を示している可能性はあるが、マグマが貯蔵されていた期間の大部分の条件を反映しているとは思われないことを示している。また、大部分が液体で、地球物理学的に観測可能なマグマ体には短命という特徴があり、従って液体マグマが見られることは差し迫った噴火を示している可能性があることも、今回の結果は示唆している。

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