Letter
微生物学:細菌での発生調節因子の転用による連続的な形態進化
Nature 506, 7489 doi: 10.1038/nature12900
生物界には多様な形態が見られるが、それに関わる形態移行の基盤にはどのような機構が働いているのだろうか。細菌には極めて多様な形態が見られるが、細菌の細胞形態を進化させてきた仕組みについてはよく分かっていない。今回我々は、ある細菌分類群の形態の多様性を調べた。この細菌群は、付属肢に似たストーク(stalk)と呼ばれる突起を細胞外被に作り出すが、ストークの位置や数は種によって異なっている。例えば、桿状の細胞体にはストークの位置が3種類あり、Caulobacter属では細胞の極に、Asticcacaulis属では極付近か両脇に位置する。本研究では、Caulobacter crescentusの発生調節因子SpmXが、Asticcacaulis属では、極付近と両脇のどちらかの位置でのストーク合成を指定するのに使われていることを明らかにする。また、SpmXの特定領域の段階的な進化が、このタンパク質の新たな機能の獲得と局在化につながり、ストークの位置の連続的な移行を引き起こしたことも示す。今回の結果は、細菌の形態進化においてタンパク質の機能変化、転用およびモジュール性が重要な要素であることを示している。従って、形態移行に関するこれと同じような進化的原理は、単細胞性原核生物と多細胞性真核生物のどちらにも当てはまる。

