Letter
光学:レーザー周波数コムを用いたコヒーレント・ラマンスペクトル画像化
Nature 502, 7471 doi: 10.1038/nature12607
光学分光や光学顕微鏡の進歩は、物理学、化学、生物学の分野全体に多大な影響を与えた。一例として、コヒーレントラマン分光という分子の振動遷移を調べる汎用的手法がある。この手法は、高い空間分解能と三次元的に切り出す能力を持つため、複雑な系を非破壊的かつ高い化学的選択性で調べる無標識ツールとなる。実際、超短パルスレーザーを用いてビデオ速度で生体組織における単色ラマンバンドが画像化されたことがある。しかし、おそらく未知の複数分子を特定するには、広いスペクトル帯域幅と高い分解能が必要である。今では、多チャンネル検出や周波数掃引レーザービームを用いて、中程度のスペクトル範囲を高速取得することが実現可能になっている。レーザー周波数コムは、分子の広帯域線形吸収分光への使用が増えている。今回我々は、非線形分光用としてのレーザー周波数コムの可能性を探ることによって、コヒーレント反ストークスラマン分光およびスペクトル画像化にレーザー周波数コムが利用できることを示す。この方法では、2つのコムを用いており、単一光検出器で広い帯域幅にわたって高い分解能で全てのスペクトル要素を、同時にマイクロ秒の時間スケールで測定できる。我々の原理実証実験における総測定時間は、逐次的にスペクトル取得する間の待機時間によって制限されているが、この制約は今後のシステム開発によって克服できる。従って、レーザー周波数コムを用いる我々の方法は、非線形顕微鏡法への新たな応用を可能にするばかりでなく、他の非線形分光技術にも役立つと予想される。

