細胞:in vivoでの再プログラム化は分化全能性の特徴を持つiPS細胞および奇形腫を作り出す
Nature 502, 7471 doi: 10.1038/nature12586
成体細胞を再プログラム化して誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出せるようになったことで、新しい治療機会が開かれたが、組織内でのin vivo再プログラム化の可能性についてはほとんど分かっていない。本論文で我々は、マウスで4つの因子(Oct4、Sox2、Klf4およびc-Myc)を一過性に誘導すると多数の臓器で奇形腫が出現することを示す。このことから、in vivoでの完全な再プログラム化は起こり得ると考えられる。胃、腸、膵臓および腎臓の解析から、多能性マーカーNANOGを発現する脱分化細胞集団の存在が明らかになり、in situでの再プログラム化が示唆される。我々は、骨髄移植により造血細胞もin vivoで再プログラム化され得ることを実証した。特に、再プログラム化が可能なマウスでは血液中を循環するiPS細胞が存在していること、また、in vivoで作製されたこれらのiPS細胞は、トランスクリプトームのレベルで、in vitroで作製された標準的なiPS細胞よりも、胚性幹細胞(ES細胞)に似ていることは重要である。その上、in vivo iPS細胞は栄養外胚葉の細胞系譜に効率的に寄与することから、これらの細胞はES細胞よりも可塑性が高い、すなわちさらに初期的な状態を達成していることが示唆される。また、in vivo iPS細胞をマウス腹腔内に注入すると、胚性マーカーおよび胚体外マーカーを発現する胚様構造が生じた。我々は、in vivoでの再プログラム化は実行可能であり、標準的なiPS細胞あるいはES細胞には見られない分化全能性の特徴を付与すると結論する。これらの知見は、再生医療への再プログラム化の今後の応用にとって重要な意味を持つだろう。

