宇宙:対不安定型超新星爆発ではない、ゆっくりと暗くなる超高輝度超新星
Nature 502, 7471 doi: 10.1038/nature12569
ピーク光度で1秒当たり1044エルグ以上のエネルギー放射をする超高輝度超新星が、0.1~4の赤方偏移に位置する暗い銀河中で最近発見されている。それらの超新星のいくつかはゆっくりと進化し、「対不安定型」超新星モデルに似ている。そのようなモデルは、もともとは太陽の140~260倍の質量を持つ星で、現在は太陽の65~130倍の質量である炭素酸素核を持つ星に関係している。これらの星では、重力崩壊を妨げる光子が電子・陽電子対に変換され、急激な収縮と熱核爆発を引き起こす。太陽質量の何倍もの56Niが合成され、この同位体は、56Coを経て56Feへと崩壊し、明るい光度曲線の原動力となる。そのような大質量の前駆天体は、初期宇宙における金属欠乏ガスから形成されたと予想される。最近では、太陽の1/3の金属量を持ち、赤方偏移 0.127(ビッグバンの約120億年後)に位置する銀河内の超新星2007biが、暗くなりつつある対不安定型超新星に似ていることが観測された。本論文では、対不安定型モデルに矛盾する比較的速い立ち上がり時間と青色を示す、ゆっくりと暗くなる2つの超高輝度超新星の観測について報告する。それらの後期の光度曲線と超新星2007bi との類似性は、その現象の性質に疑問を投げかけるものである。我々の得た初期のスペクトルは、放射性崩壊からエネルギーを供給されない、急速に光度が減少する典型的な超高輝度超新星に非常に似ている。マグネターにエネルギーを供給された、太陽質量の10~16倍の放出物質を我々が観測した結果のモデル化からは、一般的な爆発メカニズムである可能性が示される。対不安定型であることが明らかな近傍の事象が少ないことから、こうした事象の局所的な発生率が核崩壊型超新星の発生率の6×10−6未満であることが示唆される。

