細胞生物学:オートファジーは、中心小体サテライトからのOFD1除去によって一次繊毛形成を促進する
Nature 502, 7470 doi: 10.1038/nature12606
一次繊毛は微小管を基本成分とした細胞小器官で、感覚経路やシグナル伝達経路で機能する。繊毛形成の異常は、繊毛病として知られる一群の遺伝的症候群につながることがある。しかし、正常細胞やがん細胞での一次繊毛形成の調節機構については、十分に解明されていない。今回我々は、繊毛病関連タンパク質の1つ、OFD1(oral-facial-digital syndrome 1)の中心小体サテライト(centriolar satellite)でのオートファジーによる分解が、一次繊毛の生合成を促進することを明らかにする。オートファジーは異化経路の1つで、この過程ではサイトゾル、損傷された細胞小器官やタンパク質凝集体がオートファゴソームに取り込まれ、リソソームへと運ばれて破壊される。血清飢餓に応じて、中心小体サテライトに存在するOFD1群は、オートファジーによって急激に分解されることが明らかになった。Atg5またはAtg3がヌルでオートファジーが起こらないマウス胚繊維芽細胞では、中心小体サテライトにOFD1が蓄積し、一次繊毛は数が減り、長さも短くなって、BBS4(Bardet–Biedl syndrome 4)の繊毛への動員が起こらなくなる。このような異常は、OFD1を部分的にノックダウンして中心小体サテライトにおけるOFD1の数を減少させることによって、完全に救済される。さらに中心小体サテライトのOFD1が枯渇すると、本来なら繊毛を形成しない細胞周期中の細胞や形質転換した乳がん細胞MCF7でも、繊毛形成が促進される。今回の結果は、OFD1のオートファジーによる中心小体サテライトからの除去が、哺乳類細胞の繊毛形成を促進する一般機構であることを明らかにしており、オートファジーが細胞小器官の生合成に果たしている新たな役割が明らかになった。

