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構造生物学:E1P状態に先行するNa+結合Na+,K+-ATPアーゼの結晶構造

Nature 502, 7470 doi: 10.1038/nature12578

Na+,K+-ATPアーゼは全ての動物細胞で、ATP1分子の加水分解につき3個のNa+イオンを排出し、代わりに2個のK+を細胞外液から取り込むことによって、細胞膜を挟んだNa+とK+の勾配を生み出す。これらのイオン勾配は、多くの重要な過程、中でも神経細胞の興奮に利用される。今回我々は、Na+閉じ込めを促進するオリゴマイシンの存在下と非存在下で、Na+、ADP、リン酸の安定なアナログであるフッ化アルミニウムを結合したブタ腎臓ATPアーゼの結晶構造を、2.8 Å分解能で報告する。これらの結晶構造は、3個のNa+が閉じ込められたリン酸化中間体(E1P)に先行する遷移状態を表している。Na+結合部位の詳細から、Na+に対する親和性が低い(mMの解離定数)にもかかわらず、このATPアーゼがK+やCa2+を排除しNa+特異的ポンプとして機能する仕組みが示される。逐次的かつ協働的なNa+結合の仕組みは、今や原子レベルで記述することが可能となった。

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