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遺伝:生殖細胞におけるDNA損傷は全身的なストレス抵抗性の引き金となる自然免疫応答を誘導する
Nature 501, 7467 doi: 10.1038/nature12452
DNA損傷応答は、細胞周期停止、老化およびアポトーシスにつながる細胞自律的なチェックポイント機能に関しては、特徴がかなりよく分かっている。対照的に、組織特異的なゲノム不安定性に対する全身的応答はほとんど解明されていない。成体の線虫(Caenorhabditis elegans)では、生殖細胞は有糸細胞分裂および減数細胞分裂を行うが、体細胞組織は全てが有糸分裂後細胞である。その結果、DNA損傷チェックポイントは生殖細胞系列のみで機能するが、その一方で、線虫成体の体細胞組織は放射線抵抗性が非常に強い。全ゲノムを対象とするヌクレオチド除去修復系(GG-NER)などのいくつかのDNA修復系は、生殖細胞のみで損傷を除去する。本論文では、線虫の生殖細胞のゲノム不安定性が体細胞組織に影響を与える仕組みを調べた。生殖細胞における外因性および内因性のDNA損傷が、熱および酸化的ストレスに対する抵抗性の上昇を誘起することが分かった。体細胞のストレス抵抗性を仲介するのは生殖細胞のERK MAPキナーゼMPK-1で、これが自然免疫に関連すると推定される分泌ペプチドを誘導する引き金になる。この自然免疫応答は、体細胞組織でのユビキチン–プロテアソーム系(UPS)の活性化を引き起こし、タンパク質恒常性および全身的なストレス抵抗性の上昇をもたらす。全身的なストレス抵抗性が増すことにより体細胞組織の存続が助長され、生殖細胞のゲノムが損傷を受けた場合にも子孫産生を遅延させることができると我々は考える。

