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神経科学:トポイソメラーゼは自閉症と関連した長い遺伝子の転写を促進する

Nature 501, 7465 doi: 10.1038/nature12504

トポイソメラーゼは発生中および成体の脳全体で発現しており、自閉症スペクトラム障害(ASD)患者の一部で変異が見られる。しかし、トポイソメラーゼがどのような機構でASDと関連しているかについては不明である。本研究は、トポイソメラーゼ1(TOP1)の阻害剤であるトポテカンが、マウスとヒトのニューロンで、極めて長い遺伝子の発現を用量依存的に減少させており、その中には200キロ塩基以上の遺伝子がほぼ全て含まれることを明らかにする。長い遺伝子の発現は、ニューロンでTop1およびTop2bをノックダウンした後にも低下し、この結果はこれらの酵素がどちらも、長い遺伝子の発現に必要であることをはっきり示している。我々は、ニューロンのRNAポリメラーゼIIの密度をゲノム規模でマッピングすることで、遺伝子発現に対するこの長さ依存的な影響が、転写伸長の障害によることを見いだした。興味深いことに、信頼度の高いASD候補遺伝子の多くは際立って長く、TOP1の阻害後に発現が低下する。今回の知見は、トポイソメラーゼを阻害する化学物質や遺伝子変異が一般にASDなどの神経発達障害の原因となり得ることを示唆している。

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