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免疫:腸管粘膜固有層における微生物の定着は初期B系列細胞の発生に影響する

Nature 501, 7465 doi: 10.1038/nature12496

RAG1/RAG2エンドヌクレアーゼ(RAG)はV(D)J組換え反応を開始させ、生殖系列遺伝子セグメントから免疫グロブリンの重鎖(IgH)と軽鎖(IgL)の可変領域エキソンを構築し、抗体の一次レパートリーを作り出す。IgH V(D)Jの構築はプロB細胞で起こり、続いてプレB細胞でIgLが構築される。IgH μ鎖とIgL鎖(IgκあるいはIgλ)の発現によりIgMが作られ、B細胞抗原結合受容体(BCR)として、未熟B細胞上で発現される。Rag発現は未熟B細胞においても継続することがあり、Igκ V(D)Jの組換えが継続して起こり、初期のVκJκエキソンを、新たな特異性を獲得したエキソンと置き換えることができる。この「受容体編集」過程も、Igλ V(D)Jの組換えと発現を誘導でき、Ragを発現する未熟B細胞期における抗原遭遇が、免疫前BCRレパートリーの形成を助ける機構を提供する。出生後のB細胞発生の主要な部位として、骨髄はマウスにおける一次免疫グロブリンレパートリーを多様化する主要な場である。本研究では、初期B細胞発生が、マウスの腸管粘膜固有層(LP)でも起こることを報告する。LPでは、V(D)J組換えや受容体編集過程が連合して、LPの一次免疫グロブリンレパートリーを調整する。通常飼育下のマウスでは離乳期に、Ragを発現しV(D)J組換えが進行中であることを示す中間体が見られるB細胞系列細胞集団がLPに存在し、そこにはプロB細胞とプレB細胞および編集表現型を持つ細胞が含まれる。LP特異的な受容体編集と一致するように、LPにあってRagを発現するB細胞系列は、骨髄にあって、これと対応するRag2発現細胞と比較すると、VHレパートリーは類似しているが、レパートリーは大きく異なる。さらに、無菌マウスに微生物を定着させると、Igλ発現B細胞とIgκ発現B細胞の比が、LP特異的に増加する。我々は、腸管粘膜でB細胞発生が起こり、そこでの発生は共生微生物からの細胞外シグナルによって調節されていて、腸管の免疫グロブリンレパートリーに影響を及ぼしていると結論する。

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