Review
神経科学:神経変性疾患における病原性タンパク質凝集体の自己増殖
Nature 501, 7465 doi: 10.1038/nature12481
加齢と関連する神経変性疾患を解明するカギは、プリオン病の特異な生物学的特性の中にあるのではないかと数十年前から推測されてきた。最近、主として新しい疾患モデルの出現によって、この仮説に対する実験的な裏付けが増えてきている。多岐にわたる疾患で、特定のタンパク質が誤って折りたたまれ凝集してシード(種)となり、それらが同類のタンパク質を構造的に損なって凝集させ、アミロイドの小さいオリゴマーから大きな塊までさまざまな病原性集合体の形成を引き起こすことが分かっている。従ってタンパク質性のシードは、疾患を開始および進行させる自己増殖性病原体として機能し得る。アルツハイマー病や他の脳プロテオパチー(cerebral proteopathy)は、内因性タンパク質のde novoの折りたたみ異常と持続的な変性から起こるらしいが、プリオン病には感染も関与している可能性がある。しかし、いずれの場合も転帰は神経系の機能障害であり、その原因は、凝集したタンパク質が毒性機能を獲得するか、あるいは正常な機能を喪失するか、もしくはその両方である。このプリオンの理論的枠組みは、病原性に関する統一原理の1つとして、現時点で治療法のないさまざまな疾患に広く関係する治療の方向性を示唆している。

