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神経科学:細菌は痛みと炎症を調節する感覚神経を活性化する

Nature 501, 7465 doi: 10.1038/nature12479

侵害受容器の感覚神経は、損傷を与えそうな刺激を検出するために特殊化していて、痛みの感覚を引き起こし、防御行動を生じさせることによって生物を保護している。細菌感染では痛みが生じるが、その分子機構は分かっておらず、免疫活性化に続発するものだろうと考えられている。今回我々は、細菌が侵害受容器を直接活性化すること、またTLR2、Myd88、T細胞、B細胞、および好中球と単球を介した免疫応答が、マウスで黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が誘導する痛みには不必要であることを実証した。マウスの機械痛覚過敏および熱痛覚過敏は、組織腫脹や免疫活性化ではなく、生細菌負荷と相関している。細菌は、侵害受容器神経でカルシウムフラックスおよび活動電位を生じさせ、その一部は細菌のN-ホルミル化ペプチドと孔形成性毒素α-ヘモリシンがそれぞれ異なる機構を介して誘導する。侵害受容器が存在するNav1.8系列の神経を特異的に除去すると、細菌感染の際の痛みが消失するが、それと同時に局所の免疫浸潤および流入領域リンパ節の腫脹が増大した。従って、細菌病原体は炎症を調節する感覚神経を直接活性化することによって痛みを生じさせ、これは宿主–病原体相互作用における神経系の全く予想外の役割である。

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