Letter

気候:東南極太平洋岸の流出氷河に見られる気候起源の急速な変化

Nature 500, 7464 doi: 10.1038/nature12382

グリーンランドと西南極の終端で海に流れ込む氷河の観測によって、氷河の速度、薄化、後退の増大の結果、海水準への寄与が加速していることが示されている。より広大な東南極氷床縁辺に沿った薄化も報告されているが、そこで氷河が前進しているか後退しているかはよく分かっておらず、局所的な質量損失や、気候強制力や海洋強制力との関連からそうした変化を評価する試みもない。本論文では、東南極氷床縁辺の5,400 kmに沿った、175か所の終端で海に流れ込む氷河の終端位置の数十年にわたる変化傾向を提示し、同時期に起きた広範囲に及ぶ変化を明らかにする。氷河の間には、その大きさと関連がある大きなゆらぎが存在するにもかかわらず、以下の3つの重要なパターンが明らかになった。それは、63%の氷河が1974〜1990年の間に後退し、72%が1990〜2000年の間に前進し、58%が2000〜2010年の間に前進したというものである。こうした傾向は、より温暖な南太平洋西部沿岸で最も顕著であり、より寒冷なロス海沿岸の氷河には大きな変化は見られない。太平洋沿岸の氷河の変化は、大気変動の支配的なモード(南半球環状モード)を通して結合している気温と海氷の変化傾向に対する、急速かつコヒーレントな応答と一致していることが分かった。我々は、世界最大の氷床の一部は、これまで考えられていたよりも外部強制力に対して脆弱である可能性があると考える。

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