微生物学:新規古細菌系統における硝酸還元と共役した嫌気的メタン酸化
Nature 500, 7464 doi: 10.1038/nature12375
嫌気的メタン酸化(AOM)は、無酸素環境からのメタン流出の制御にとって非常に重要である。鉄、マンガンおよび硫酸還元と共役したAOMが、嫌気的メタン酸化古細菌(ANME)を含む微生物群集に存在することは、すでに明らかとなっている。さらに最近、Candidatus ‘Methylomirabilis oxyfera’と呼ばれる細菌が、AOMと亜硝酸還元を内在性好気的(intra-aerobic)メタン酸化経路を介して共役できることが示された。脱窒とAOMが共役可能なバイオリアクターでは、‘M. oxyfera’とANMEの新規系統ANME-2dの優占が見られる。しかし、‘M. oxyfera’は単独でAOMと脱窒を共役させることができるので、この過程におけるANME-2dの役割は分かっていなかった。本研究では、硝酸、アンモニウムおよびメタンを供給したバイオリアクターでは、硝酸に依存したAOMを行う単一のANME-2d個体群が優占したことを示す。メタゲノム、単一細胞ゲノムおよびメタトランスクリプトーム解析を、バイオリアクターの能力や13Cおよび15Nでの標識実験結果と合わせると、ANME-2dが単独で、メタン生成の逆反応を介して硝酸を最終電子受容体としてAOMを行えることが明らかになった。比較分析から、硝酸還元の遺伝子が細菌から水平伝播したことが明らかになり、ANME-2d内でこの新しい経路が選択されたことが示唆された。ANME-2dによって生成した亜硝酸は、この系で‘M. oxyfera’を実質的に打ち負かしているアンモニア酸化細菌との栄養共生関係を通して、窒素ガスに還元される。我々は、今回見つけたANME-2d個体群をCandidatus ‘Methanoperedens nitroreducens’と命名し、ANME-2d系統を科としてCandidatus ‘Methanoperedenaceae’と命名することを提案する。我々は、‘Methanoperedenaceae’に属する‘M. nitroreducens’や他の種が、無酸素環境において全球的な炭素循環と窒素循環を結びつける重要な役割を果たしていると予測する。

