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分子生物学:複製フォークの衝突時に起こり得る染色体の異常状態の回避
Nature 500, 7464 doi: 10.1038/nature12312
染色体の複製は通常、複製フォーク複合体が特定の起点に集まることによって始まる。ある1つのフォークが行うDNA合成は逆向きに移動する別のフォークに出会うと停止すると考えられている。この段階では、新生DNA鎖が最終的に連結される前に、複製装置があっさり解離するのかもしれない。しかし、実際に何が起こっているのかは分かっていない。今回我々は、全てのフォーク衝突がゲノムの安定性を脅かす可能性があることの証拠を示す。大腸菌(Escherichia coli)では、この脅威はRecGトランスロカーゼと1本鎖DNAエキソヌクレアーゼ群によって食い止められている。RecGがないと、2つのフォークが出会う所で複製が開始される。これは、通常フォークの修復、複製の再開、組換えに関わるレプリソームの集合機構を介して起こり、細胞の増殖と分裂を維持する潜在能力を持つ新たなフォークが、活性起点なしに確立される。この能力は、フォークの進行に対する障害が減少あるいは消失した時に発揮される。これは染色体が環状であることに依存しており、フォークの衝突によって複製が繰り返し開始されるという考えを支持する。以上の結果は、各染色体に複数の複製開始点がある生物にとって、複製フォークの衝突が病的状態を引き起こす可能性を持つのではないかという疑問を提起する。

