量子情報科学:固体系におけるフィードフォワードを用いた決定論的量子テレポーテーション
Nature 500, 7462 doi: 10.1038/nature12422
超伝導電子回路によって人工的に作り出された巨視的量子系は、量子情報科学のさまざまな問題を実験的に調べる上で魅力的である。最先端の技術では、量子ビット(キュービット)の作成、初期化、制御、読み出し、結合はシンプルな回路で行われる。これによって、基本論理ゲートの実現、複雑な量子もつれ状態の生成、アルゴリズムや誤り訂正の実証が可能となる。異なるさまざまな低雑音パラメトリック増幅器を使用し、単一キュービット状態を分散性量子非破壊シングルショット読み出しによって高い忠実度で読み出すことにより、単一キュービットに対しての連続的あるいは離散的なフィードバック制御が可能となった。本論文では、チップベースの超伝導回路アーキテクチャーにおいて、フィードフォワードによる完全に決定論的な量子テレポーテーションを実現する。結合した2キュービットや、独立したキュービットのシングルショット読み出しを行うため、我々は2台のパラメトリック増幅器をフレキシブルな実時間デジタルエレクトロニクスと組み合わせて使用した。我々のデバイスは交差した量子バス技術を用いており、プレーナーアーキテクチャーで任意の接続形態の複雑なネットワークを生成できる。最大量子もつれ状態にある2キュービットを準備し、単一2キュービット測定において全てのベル状態を高効率かつ高忠実度で識別することにより、この決定論的なテレポーテーション過程は任意の入力状態に対して1のオーダーの確率で成功した。我々は6 mm離れた2つの巨視的な系の間で量子状態をテレポートし、その速度はこれまでに実現された他の結果を超える104 s−1であった。この低伝送損失の超伝導導波路は、このスキームや他のスキームの到達距離を著しく延長し、非局所性の検証やマイクロ波周波数における量子通信用素子の実現に繋がる可能性がある。実証したフィードフォワードは誤り訂正スキームにも応用できる可能性がある。

