Letter

地球:大気中二酸化炭素濃度の増加に伴う森林の水利用効率の上昇

Nature 499, 7458 doi: 10.1038/nature12291

陸上植物は、光合成によって大気からCO2を除去する。光合成は、葉からの水蒸気の放出を伴う過程である。炭素獲得量に対する水損失量の比、すなわち水利用効率は、生態系機能の重要な特性であり、水、エネルギー、炭素の全球循環の中核を成している。今回我々は、生態系全体の炭素と水の交換に関する直接的で長期的な測定結果を分析した。その結果、過去20年間では、北半球の温帯林と亜寒帯林で水利用効率の大幅な上昇が見いだされた。この傾向を説明するさまざまな競合仮説を体系的に評価したところ、観測された効率の上昇はCO2の強力な肥沃化作用と最もよく一致することが明らかになった。この結果は、大気のCO2濃度が持続的に増加していても、気孔(ガス交換を調節する葉の表面の小さな孔)の部分的な閉鎖によって、葉内のCO2濃度がほぼ一定に維持されることを示唆している。森林の水利用効率上昇の観測結果は、既存の理論や13種類の陸上生物圏モデルによる予測を上回っている。水利用効率の上昇は、生態系レベルの光合成量と正味の炭素取り込み量の増加傾向や、蒸発散量の減少傾向と関係している。今回の知見は、陸上植生の炭素に基づく経済と水に基づく経済の変化を示唆しており、森林と気候変動の相互作用を調節する気孔制御の役割の再評価や、植生と気候の結合モデルの再評価が必要になる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度