Letter
核物理:カルシウムのエキゾチック同位体の質量によって核力が明確になる
Nature 498, 7454 doi: 10.1038/nature12226
存在の瀬戸際にあるエキゾチック原子核の特性は、核相互作用を理解する上で基本的な役割を果たす。極めて中性子過剰な原子核は、核力の新たな側面に敏感になる。二重魔法数を持つ同位体40Caと48Caが存在するカルシウムは、安定の谷から存在限界まで、原子核の殻進化を調べるための理想的な試験対象になる。そうしたカルシウム同位体は、陽子閉殻構造を持ち、カイラル有効場理論による3核子力を用いた計算の最先端にある。51Caと52Caの質量に関する予測は直接測定によって検証されたが、それより重いカルシウム同位体の場合、原子核質量がどのように変わるのかまだわかっていない。今回我々は、CERNのISOLTRAPという多重反射飛行時間質量分析計を用いて、カルシウムのエキゾチック同位体53Caと54Caの質量を決定したことを報告する。測定された質量から、中性子数N = 32で顕著な閉殻構造がはっきり確認され、我々の理論計算結果とよく一致した。こうした結果を基に、中性子過剰な物質に関する理解が深まり、量子色力学に制約される理論展開の最前線にあるわずかな核力成分が突き止められる。

