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神経科学:主嗅覚系における嫌悪感をもたらすにおいの重複しないコード化
Nature 497, 7450 doi: 10.1038/nature12114
多くの生物種で、生き残るためには嗅覚への依存が不可欠である。哺乳類の主嗅覚系では、膨大な種類の標準的なにおい分子受容体と、それに比べると種類がずっと少ない痕跡アミン関連受容体(TAAR)とを発現している感覚ニューロンが、においを検出する働きをする。においは、主嗅球の糸球体の組み合わせによってコード化され、各糸球体は1個の特定の受容体と対応している。しかし、個々の受容体遺伝子がにおいの知覚にどの程度寄与するかは、不明である。今回我々は、Taar遺伝子ファミリーを欠失させたり、あるいは1個のTaar遺伝子(Taar4)を欠失させたりしただけでも、低濃度の揮発性アミン類や捕食者の尿のにおいに対して、マウスが嫌悪感を示さなくなることを明らかにする。今回の知見により、TAAR類の嗅覚における役割、すなわち、生まれつき嫌悪するにおいを高感度で検出するという役割が明らかになった。さらにこれらのデータから、嫌悪感をもたらすアミン類のにおいは重複しない形で示されることが判明し、においの知覚には、主嗅覚系の受容体遺伝子が個別にかなり大きく寄与している可能性が明らかになった。

