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生化学:多様なVI型分泌ホスホリパーゼは機能的可塑性を持つ抗菌エフェクターである

Nature 496, 7446 doi: 10.1038/nature12074

膜は生化学的過程の区画化を可能にするため、生命にとってきわめて重要である。細胞膜の維持は、分泌タンパク質への到達性とともに、多様な生物間の拮抗的な相互作用を仲介する因子の共通の標的となってきた。本論文では、細菌のホスホリパーゼの多様なスーパーファミリーを発見したことを報告する。このスーパーファミリーの中に、宿主細胞を標的とする細菌毒素やある種の昆虫や爬虫類の毒に共通して見られるホスホリパーゼA1およびA2活性を有する酵素があることがわかった。しかし、このスーパーファミリーの重要な役割は、VI型分泌系(T6SS)の転移装置のエフェクターとして細菌の拮抗的な相互作用を仲介することであるため、我々はこれらのタンパク質をVI型リパーゼエフェクターと名付けた。解析の結果、真核細胞のホスホリパーゼDと類似する緑膿菌( Pseudomonas aeruginosa)のPldAは、VI型リパーゼエフェクタースーパーファミリーに属し、H2-T6SS(haemolysin co-regulated protein secretion island II T6SS)の最初の基質であることが示された。これまでの研究では、PldAとH2-T6SSの病原性における重要性が特に指摘されていたが、我々は、細菌の種内、種間の相互作用における、エフェクターおよびその分泌装置としての特定の役割を明らかにした。さらに、このエフェクターが細菌膜の主要な構成成分であるホスファチジルエタノールアミンの分解によって抗菌活性を示すこともわかった。毒性と関連するホスホリパーゼが特異的な抗菌エフェクターとして機能しうるという意外な発見は、細菌間相互作用が病原性の持続的な進化を駆動する関連因子であることを示唆している。

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