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免疫:HIV-1広範囲中和抗体とファウンダーウイルスの共進化
Nature 496, 7446 doi: 10.1038/nature12053
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)に対して現在使われているワクチンは、ウイルス株特異的な中和抗体を誘導する。しかし、約20%のHIV-1感染者では交差反応性中和抗体が生じている。こうした抗体の産生機構の詳細が解明されれば、有効なワクチン接種計画につながるかもしれない。本論文では、HIV-1感染時から観察が続けられたアフリカ人ドナー由来の広範囲中和抗体の単離と進化、およびその構造について報告する。成熟抗体CH103は、HIV-1分離株のほぼ約55%を中和し、またHIV-1エンベロープタンパク質gp120との共結晶構造から、ループを基盤としてCD4結合部位を認識する新しい機構が明らかになった。ウイルスおよび抗体の遺伝子塩基配列解読から、ウイルスの進化と抗体の成熟が同時進行していることが明らかになった。CH103系統のまだ変異していない共通祖先抗体は、伝播したHIV-1あるいはファウンダーHIV-1のエンベロープ糖タンパク質に高い親和性で結合したこと、また抗体の中和範囲の進化は、CH103エピトープ内および近傍で広く多様性が生じた後に起こることは注目すべきである。これらのデータは、ウイルスと抗体の進化がHIV-1広範囲中和抗体の1系統の誘導につながることを確証しており、また、ワクチン接種によってこれと同じような抗体を誘導するという戦略についての手がかりを与える。

