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構造生物学:真核生物リン酸輸送体の結晶構造
Nature 496, 7446 doi: 10.1038/nature12042
リン酸は、ヌクレオチドや脂質の合成、シグナル伝達や化学エネルギー貯蔵などに、構造的にも代謝に関しても必要とされるため、きわめて重要である。MFS(major facilitator superfamily)ファミリーのプロトン共役型輸送体は、植物や菌類でのリン酸取り込みに必須で、また細胞外シグナルを細胞内に伝達するトランスセプターとして外部のリン酸レベルを感知する機能も持っている。今回我々は、ロウタケ目の菌類Piriformospora indicaの高親和性リン酸輸送体PiPTの分解能2.9 Åでの構造を報告する。PiPTは内向きでふさがれた状態にあり、リン酸は膜に埋まった結合部位に結合している。この構造から、プロトンとリン酸の両方の放出経路が示され、リン酸輸送について非対称的な修飾型「ロッカースイッチ」機構が考えられる。PiPTは、複数のヒト輸送体ファミリー[溶質キャリヤータンパク質ファミリーに属する有機陽イオン・陰イオン輸送体(SLC22)が最もよく知られている]と近縁で、これらのファミリーは抗がん剤への耐性に関与するとされている。我々は、PiPTの構造に基づいて、代表的な陽イオンおよび陰イオンSLC22輸送体をモデリングし、この重要なファミリーでの基質の結合や電荷選択性の構造基盤を推定した。PiPTの構造は、MFS輸送体による基質輸送の原理を実証・拡張し、リン酸取り込みの原理を明らかにしている。

