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地球:プリューム溶岩の異常な硫黄同位体が明らかにしたマントル深部の始生代地殻貯蔵庫

Nature 496, 7446 doi: 10.1038/nature12020

一部の海洋プレート内ホットスポット火山で噴出する玄武岩溶岩は、古代の沈み込んだ地殻物質を含むと考えられている。しかし、こうした沈み込んだ物質のマントルにおける滞留時間は、不確かでモデルに依存し、ホットスポットの下でマントルが上昇している地域で表面に戻っていることを示す有力な証拠もない。本論文では、ポリネシアにあるクック諸島のマンガイア島の2000万前の年代を持つ海洋島玄武岩から得られた、再循環した海洋地殻を含むと示唆されているカンラン石中の硫化物に、非質量依存同位体分別(MIF)を示す異常な硫黄同位体の特徴が見られることを報告する。分別量が同位体質量の差に比例しないという地球上のMIF硫黄同位体の特徴は、約24億5000万年前まで大気中の光化学反応のみによって生成された。したがって、このような年代の若いプリューム溶岩でMIF硫黄が見つかったことは、熱水変成を受けた海洋地殻におそらく由来する硫黄は、24億5000万年以前に沈み込んでマントルに入り、再循環してマントルのマンガイア溶岩生成源の中に入ったことを示唆している。こうした新しいデータから、負のΔ33S値を持つ太古の物質がマントル内のマンガイア溶岩生成源に含まれていることを示す証拠が得られる。さらに、今回のデータは、ダイヤモンド中の硫黄包有物で同定された、大陸下リソスフェア・マントルへの太古の堆積物に含まれる硫黄の再循環を示す証拠を補足するものでもある。再循環した海洋地殻が始生代の年代であることから、沈み込んだ地殻物質がマントル中に存続しうる時間の長さと、沈み込んでからホットスポット下へ上昇するまでのマントル対流の時間スケールも大きく絞り込まれる。

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