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構造生物学:折りたたまれたタンパク質のFimDアッシャーによる輸送の構造的・エネルギー的基盤
Nature 496, 7444 doi: 10.1038/nature12007
尿路病原性の大腸菌(Escherichia coli)により産生される1型線毛は、宿主細胞を認識して接着するのにきわめて重要な多サブユニット繊維である。線毛生合成の際には、サブユニットは外膜の組み立て用プラットフォームであるFimDアッシャーに引き寄せられ、FimDが重合を触媒し、線毛分泌を引き起こす。開始複合体の結晶構造が最近決定されて、線毛生合成の開始段階に対する手がかりが得られ、小孔活性化につながることがわかったが、これに続く伸長段階についてはほとんどわかっていない。今回我々は、この問題に取り組むために、FimC、FimF、FimG、FimHからなる先端複合体構造が、FimDを通過する伸長複合体の構造を決定した。この構造から、形成されたばかりの線毛がFimD小孔を後戻りするのを防止するのに必要なコンホメーション変化が明らかになり、またアッシャーである小孔の意外な性質が示される。小孔内腔と折りたたまれた基質の間にできる円形の結合界面が、形成されたばかりの線毛多量体が分泌される際に誘導される低エネルギー経路を規定することにより、輸送に関わっていることがわかった。

