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ナノテクノロジー:原子分解能でナノ粒子中の転位を三次元画像化する
Nature 496, 7443 doi: 10.1038/nature12009
転位やその相互作用は、金属や合金の強度から発光ダイオードやレーザーダイオードの効率まで、多くの材料特性に強い影響を与える。いくつかの実験方法を利用して転位を可視化することができる。透過電子顕微鏡法(TEM)は、材料中の転位の画像化に長年にわたって用いられており、高分解能電子顕微鏡法は、特に環状暗視野モードを用いて、転位芯構造の細部を明らかにすることができる。しかし、TEM像は、三次元(3D)対象の二次元投影である(ただし、ステレオTEMでは3D転位に関する情報が限定的に得られる)。X線トポグラフィーは転位を三次元で画像化できるが、分解能は低い。3D転位は、弱ビーム暗視野TEMや走査型TEMを利用して、電子線トモグラフィーにより約5 nmの分解能で画像化されている。原子プローブ・トモグラフィーでは、もっと高い分解能で転位の3D特性評価が可能だが、針状の試料が必要であるうえ、試料中の60%の原子しか検出できない。今回我々は、電子線トモグラフィーによって原子分解能で材料中の転位を3D画像化したことを報告する。等勾配トモグラフィー再構成とともに3Dフーリエフィルタリングを適用することによって、多重双晶白金ナノ粒子中のほぼすべての原子を観測した。そして、3D双晶境界の原子ステップを観測し、刃状転位とらせん転位の3D芯構造を原子分解能で画像化した。双晶境界でのこれらの転位と原子ステップは応力緩和機構のようだが、従来の二次元投影では見ることができない。転位のような3D不規則構造を原子分解能で画像化する能力は、材料科学、ナノ科学、固体物理学、化学に応用できると考えられる。

