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医学:ジペプチジルペプチダーゼ4は新興ヒトコロナウイルス-EMCに対する機能的受容体である

Nature 495, 7440 doi: 10.1038/nature12005

ヒトコロナウイルスの大半は軽度の上気道疾患を起こすが、免疫不全患者ではさらに重度の肺疾患につながる可能性がある。ただし、SARSコロナウイルスは重篤な下気道疾患を引き起こし、致死率はほぼ10%で、全身へ広がることも確認されている。最近、また別のコロナウイルスのhCoV-EMC(human coronavirus-Erasmus Medical Center)が、重症で時には致死的となる下気道感染症の患者で見つかった。このウイルスは、ゲノム解析から、コウモリで見つかったコロナウイルスと近縁であることが明らかになった。今回我々は、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP4、別名CD26)がhCoV-EMCの機能的受容体であることを突き止めた。DPP4は、感受性Huh-7細胞の溶解液からhCoV-EMCスパイクタンパク質の受容体結合S1ドメインと特異的に共精製された。DPP4に対する抗体は、ヒト気管支上皮初代培養細胞およびHuh-7細胞へのhCoV-EMC感染を防止した。非感受性COS-7細胞にヒトやコウモリ(Pipistrellus pipistrellus)のDPP4を発現させると、hCoV-EMCによる感染が可能になった。異なる種に由来する進化的に保存されたDPP4タンパク質が機能的受容体として用いられていることから、hCoV-EMCの宿主となる可能性のある動物の範囲についての手がかりが得られる。さらにこのことは、この新興ヒトコロナウイルスの病原性および疫学的性質の解明に大きな関わりがあり、また治療戦略の開発を促進すると考えられる。

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