Letter

量子情報科学:スピンキュービットによる回路量子電磁力学

Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11559

量子ドット中に捕獲された電子スピンは、将来の量子プロセッサーの基本構成要素として提案されている。2量子ビット(2キュービット)操作は最隣接の交換結合を使って180ピコ秒と高速に実現できるものの、スピンを利用したスケーラブルな量子計算アーキテクチャーでは、ほぼ確実に長距離のキュービット相互作用を必要とするであろう。空間的に離れた超伝導キュービットが、「量子バス」として機能する超伝導マイクロ波共振器を介して相互作用できるようになり、2キュービットエンタングルメントと、簡単な量子アルゴリズムの実行が可能になる。今回我々は、ヒ化インジウムナノワイヤー二重量子ドットと超伝導共振器を結合させることで、cQEDアーキテクチャーとスピンキュービットを組み合せた。このアーキテクチャーでは、約30 MHzの電荷共振器結合レートが実現できる。このレートはヒ化ガリウム量子ドットで得られた結合レートと一致する。さらに、ヒ化インジウムのスピン軌道相互作用は強いため、局所ゲート電極でスピン回転を電気的に駆動でき、電荷共振器相互作用によって、その結果生じるスピン動力学を測定できる。今回の結果から、 cQEDアーキテクチャーが単一スピン物理の高感度プローブとしてどのようにして使用できるか示され、約1 MHzのスピン共振器結合レートが実現可能であることが実証された。これは、超伝導マイクロ波共振器を介して長距離のスピン結合が可能であることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度