医学:HIV-1ワクチンはEnv V2に遺伝的特徴を持つウイルスに対してより高い効力を持つ
Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11519
RV144試験では、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)-1感染防御に対するワクチン有効率が31%であることが明らかにされた。HIV-1エンベロープ可変ループ1および2 (Env V1およびV2)に対する抗体は、感染リスクと逆相関していた。我々は、V1/V2に対してワクチンが誘導する免疫応答は、HIV-1ブレイクスルーウイルスをふるい分けて、選択的な効果を示すだろうと考えた。ワクチン接種者44人、およびプラセボ投与者66人に由来する計936種類のHIV-1ゲノム配列が調べられ、ワクチンが誘導する免疫応答が、V2の169番目と181番目に位置する2つのアミノ酸と関連することがわかった。169番目の位置のアミノ酸がワクチンと合致するウイルスに対するワクチンの有効率は48%(信頼区間18〜66%、P = 0.0036)だったが、181番目のアミノ酸がワクチンと合致しないウイルスに対するワクチン有効率は78%(信頼区間35〜93%、P = 0.0028)であった。169番目の残基は、広範囲中和抗体およびRV144由来抗体によって認識される陽イオン性の糖鎖付加領域に存在する。これら2つの特徴的な部位の間の推定距離(21±7 Å)と適合/不適合によって有効率が違うという二分性は、RV144で観察された防御に複数の要因が関与している可能性を示している。RV144ワクチン接種に関してV2で見られる遺伝的特徴は、V1/V2結合抗体が高値であることとHIV-1獲得リスクの低下とが関連するという知見を補足するものであり、またワクチンが誘導するV2応答がRV144療法によってもたらされた防御に部分的に関与していることの証拠となる。

