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宇宙:亜鉛同位体に残った月の起源の証拠

Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11507

揮発性元素は、惑星進化において基本的な役割を果たしている。しかし、揮発性物質の収支が惑星内でどのように決まったのか、また最初期段階における惑星体の揮発性物質枯渇の性質や規模については、ほとんどわかっていない。月では揮発性物質が枯渇していると考えられており、揮発性が中程度の元素の安定同位体が、揮発性物質の消失によって分別したはずだと予測されている。このような元素の1つである亜鉛は、惑星岩石の蒸発中に強い同位体分別を示すが、地球上の火成作用ではほとんど分別しない。このことから亜鉛は、惑星の揮発性物質進化史の強力なトレーサーとなっている。本論文では、高精度の亜鉛同位体存在量データから、月の岩漿岩が亜鉛の重い同位体に富んでいて、地球や火星の火成岩よりも亜鉛濃度が低いことを示す。逆に、地球や火星の亜鉛同位体組成は、おおむねコンドライト的である。これらの差は、火山活動中の亜鉛の小規模な蒸発過程によるものではなく、月形成事象直後に起きた可能性が最も高い亜鉛の大規模蒸発を示している。したがって、我々の結果は、蒸発によって月の揮発性物質が枯渇したことの証拠を示しており、地球と月に対する巨大衝突起源説と矛盾しない。

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