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気候:日射量変動の40万年周期の極小期における北極氷床の増加の遅れ
Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11493
現在の間氷期に天文学的に類似していた時期における北半球高緯度域の過去の気候変動の知識は、将来の気候変動の解明に役立つ情報を得るのに役立つ可能性がある。残念なことに、底生の18Oの含有量の記録は、両極域における氷体積変化を統合した信号に相当しているため、北半球のみの氷床変動の長期連続記録は不十分である。しかし、北半球の氷床の変動はシベリア高気圧に影響を与えることから、中国黄土高原の風成塵堆積物に記録されている東アジア冬季モンスーン(EAWM)の変動は、氷床コアの記録が始まる前の北極の気候変動の有用な代理指標となりうる。本論文では、過去90万年間にわたる中国黄土高原全体の層序を表している2つの平行な黄土断面の粒度変化を使って、EAWMの代理指標記録を示す。この結果は、約40万年周期で現れる離心率と歳差変動が小さい期間には、粒度から推測されるEAWMの強さが、強い夏季モンスーン活動と土壌生成作用を特徴とする間氷期の終了後2万年まで弱いままだったことを示している。対照的に、ほかのほとんどの間氷期の終了後には、EAWMが急速に増加している。我々の結論は、40万年の間隔で出現した間氷期の両方で、従来の黄土と海洋酸素同位体記録から推測されるより長い期間、弱いEAWMの風が北半球の高緯度地域で、温暖で氷河のない気候を維持していたというものである。これらの時期には、北緯65度での夏季の日射量の極小期が厳しくないために、氷と雪の蓄積が抑制され、シベリア高気圧が弱くなり、その結果EAWMの風が弱くなったのだろう。

