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神経:in vivoでバレル皮質ニューロンの曲げ方向同調を決める非線型的な樹状突起情報処理
Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11451
一次感覚皮質第4層のニューロンは、外界からの感覚情報を直接受け取る。このニューロンに共通する特徴は、感覚刺激の特定の性質への選択性である。入力される感覚情報によってこれらのニューロンが駆動される仕方については、さまざまな理論によって説明が試みられている。いずれの理論でも、ニューロンは、あるバイアスを持った小さな入力を加算し、軸索–細胞体による増幅機構を介して、同調した出力に変換する単純な素子と見されている。しかし、感覚応答のさらなる増幅とニューロンの同調曲線の先鋭化における能動的な樹状突起統合の役割は無視されている。今回、バレル皮質第4層の多棘星状細胞の樹状突起が、局所的または全体的に複数の樹状突起枝にわたるNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)スパイクを発生し、これがこれらの樹状突起での主たる再生事象であることを示す。そして、このNMDA受容体(NMDAR)再生機構は、共活性化した視床–皮質入力と皮質–皮質入力を超線型的に加算できる。NMDAR阻害剤の細胞内注入と過分極を併用したin vivoホールセル記録によって、樹状突起のNMDAR依存性の再生応答が、好ましい曲げ方向をそうでない曲げ方向に比べて優先的に増幅することで、第4層ニューロンの曲げ方向同調性を生み出すのに大きく貢献していることがわかった。総合するとこれらの発見は、樹状突起のNMDAR再生増幅機構が感覚応答に顕著に寄与し、皮質ニューロンの同調の決定にきわめて重要であることを示している。

