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構造生物学:AMP-PNPが結合したビタミンB12輸送体BtuCD–Fの構造

Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11442

ATP結合カセット(ABC)輸送体であるBtuCDは大腸菌(Escherichia coli)の内膜を通過するビタミンB12の取り込みにかかわっている。以前に報告された構造によりアポ状態のコンホメーションが明らかになっているが、その輸送機構はまだよくわかっていない。今回我々は、β-γ-AMP-PNP(β-γ-imidoadenosine 5′-phosphate)が結合した中間状態で捕捉された輸送体–結合タンパク質複合体BtuCD–BtuFの分解能3.5 Åでの結晶構造を報告する。ABCドメイン(BtuDサブユニット)は予想されたように閉じたサンドイッチ型二量体を形成していたが、膜を貫通しているBtuCサブユニットは、中央の輸送経路が以前には知られていなかった細胞質側のゲートにより閉じられているという新規の構造をとっており、そのため膜厚の半分程度の深さの入り込めない空洞が形成されている。この空洞は、ビタミンB12分子を収容するのに十分な大きさがあり、放射性リガンドトラッピング実験により、リポソーム中に再構成したBtuCD–Fには、AMP-PNPの存在下で輸送体に結合したB12が実際に含まれていることが示された。改変したジスルフィド架橋実験と機能測定の結果を組み合わせると、我々のデータはほかのABC輸送体で観測された輸送機構とは異なる、予想外の蠕動輸送機構を示唆している。

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