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細胞:一分子レベルの分解能で明らかにした、転写共役修復の開始

Nature 490, 7420 doi: 10.1038/nature11430

転写と共役したDNA修復では、転写装置の成分を使ってDNAの損傷を見つけ出し、その修復を開始する。この修復経路は複雑なため、その機構はほとんど解明されていない。細菌の転写共役修復は、DNA損傷部位で停止したRNAポリメラーゼが、ATP依存性のDNAトランスロカーゼMfdによって取り除かれると開始される。今回我々は、一分子DNAナノマニピュレーションを使って、シクロピリミジン二量体やヌクレオチド欠乏のために停止したRNAポリメラーゼ伸長複合体と大腸菌(Escherichia coli)のMfdとの動的相互作用を観察した。Mfdの作用は、2回のATP依存性の不可逆的変化を触媒することによるもので、2回の変化は、構造的にも、速度論的にも、機構的にも特徴が異なっていることがわかった。Mfdは、寿命の長い複合体の一部としてそのままDNAに結合しており、この複合体がDNA損傷部位の目印の役目をして、引き続きDNA修復因子の集合を誘導するらしい。これらの結果から、in vivoでの転写共役修復の速度論を考えるための枠組みが得られ、一分子レベルの分解能で完全なDNA修復経路を再構築する道が開けるだろう。

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