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植物:在来イネのプロテインキナーゼPstol1がリン欠乏耐性を付与する

Nature 488, 7412 doi: 10.1038/nature11346

あらゆる生細胞に不可欠な多量栄養素であるリンは、農業生産システムに欠かすことができない。天然のリン資源には限りがあるため、リン効率の高い作物の開発は重要である。リン欠乏耐性に関するイネの主要な量的形質遺伝子座であるPup1は、約10年前に、在来のアウス型イネ品種Kasalathから見つけられた。その機能メカニズムは不明であったが、遺伝子座の塩基配列が解読されて初めてPup1特異的プロテインキナーゼ遺伝子の存在が明らかになり、我々はこれにPSTOL1(phosphorus-starvation tolerance 1)と命名した。この遺伝子は、イネの参照ゲノムおよびそのほかの近代のリン欠乏非耐性品種には存在しない。今回我々は、そのような非耐性品種でPSTOL1を過剰発現させると、リン欠乏土壌での穀物収量が大幅に増加することを明らかにした。さらに解析を進めると、PSTOL1が根の初期発育の促進因子として作用し、リンをはじめとする栄養素の植物体による取り込みを増加させることがわかった。PSTOL1およびそのほかの遺伝子(冠水耐性遺伝子SUB1Aなど)が、近代イネ品種には保有されていないことは、在来種の生殖質の保存および探索の重要性を示している。この量的形質遺伝子座をアジアおよびアフリカの地域に適応したイネ品種に導入することにより、低リン条件下での生産性が大きく向上することが期待される。

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