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神経:ショウジョウバエにおいて、匂い記憶で報酬信号を送る一群のドーパミンニューロン
Nature 488, 7412 doi: 10.1038/nature11304
動物は、好ましい結果を予測させる刺激に接近する。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)に匂いと報酬をペアにして示すと、その匂いへの条件付け接近行動が成立する。近年、連合記憶や食欲による動機付けに関する神経回路の理解は進んだが、ハエ脳内での報酬情報処理の細胞レベルでの機構に関しては未解明である。今回我々は、非侵襲の行動中のハエで、前大脳前内側部(PAM)の一群のドーパミンニューロンが標的ニューロンの一時的活性化および不活性化によりショ糖報酬信号を送ることを明らかにする。これらのドーパミンニューロンは、ショ糖刺激に対する反射応答にではなく、ショ糖刺激の強化に選択的に必要である。in vivoカルシウム画像化法により、これらのニューロンはショ糖摂取によって活性化し、その活性化度は絶食によって増大することが明らかになった。PAM群ニューロンの出力先は、主としてキノコ体(MB)の内側葉に局在しており、ここは食欲と匂いの連合記憶が成立する部位である。したがって、PAM群ニューロンは、MBにおいてその匂いに対するポジティブな予測価値を付与すると思われる。昆虫のドーパミンは忌避的な強化信号を媒介することが知られている。今回の結果は、ドーパミンの多様な役割の基礎となる細胞特異性と、MB内部で空間的に隔離された局所回路の持つ重要性を強調している。

