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医学:限定された細胞集団が、化学療法後の神経膠芽腫の増殖を引き起こす
Nature 488, 7412 doi: 10.1038/nature11287
多形性神経膠芽腫は最も多く見られる原発性の悪性脳腫瘍で、生存期間中央値は約1年である。これほど予後が悪いのは、治療に対する抵抗性と外科的切除後の腫瘍の再発が原因である。再発の正確な仕組みはわかっていない。今回我々は、抗がん剤テモゾロミド(TMZ)を投与して一時的に腫瘍の成長が止まった後に新たな腫瘍細胞の供給源となる、内因性の腫瘍細胞群を、遺伝子操作した神経膠腫マウスモデルを利用して同定した。静止状態にある脳室下帯の成体神経幹細胞を標識する導入遺伝子Nes-ΔTK-GFP(nestin-ΔTK-IRES-GFP)により、内因性の神経膠腫細胞群も標識される。TMZによって腫瘍細胞の増殖が停止した際にパルスチェイス実験を行ったところ、Nes-ΔTK-GFP導入遺伝子で標識された細胞群の一部を起点とする、再増殖腫瘍細胞の階層構造が明らかになった。ガンシクロビルの長期投与によってGFP+細胞が消失すると、腫瘍の増殖が大幅に制御され、TMZとガンシクロビルを併用すると腫瘍の進行が阻害された。したがって、がん幹細胞の特徴とされる性質とよく似た性質を持つ、比較的静止した状態にある内因性神経膠腫細胞の一群が、高い増殖性を持つ一時的な細胞集団を作ることにより、腫瘍の長期成長を維持する働きをしている。

