Letter 物性:表面への静電的な電荷蓄積によって駆動されるバルクキャリアの集団的な非局在化 2012年7月26日 Nature 487, 7408 doi: 10.1038/nature11296 古典的なトランジスタでは、電荷キャリアの数、ひいては電気伝導率を外部電圧で精密に制御することによって、電気的なスイッチング機能を実現している。この単純だがきわめて強力な機能は情報処理技術に不可欠であり、また一方で、基礎物理研究を行ううえで有効な手段を提供している。凝縮物質系の電子相は本質的に電荷の数で決まるため、トランジスタ動作によって系の状態を可逆的かつ等温過程で変化させることが可能になり、その有効性は電界誘起強磁性や電界誘起超伝導で実証されている。しかし、トーマス-フェルミ遮蔽によって、この電界効果はチャネル厚さが数ナノメートル以下の領域に限定されている。今回我々は、電子と結晶格子の間の集団的相互作用が本質的に強い物質群には、従来のこの状況が当てはまらないことを示す。我々は、二酸化バナジウム(室温より十分高い温度で熱駆動による金属–絶縁体一次転移が起こる強相関物質)を用いた金属–絶縁体–半導体電界効果トランジスタを作製し、表面を静電的に帯電させると、物質内部のもともとは局在化していたすべての電荷キャリアが動き始め、三次元的な金属の基底状態が出現することを見いだした。この電子状態の非局所的なスイッチングは、わずか1 V程度の電圧を印加することによって実現される。電圧掃引測定では、金属–絶縁体転移が一次転移であることを反映して、不揮発性メモリー効果が得られており、これは室温で動作可能である。我々の結果は、概念的に新しい電界効果デバイスを実証しており、電界制御の概念を巨視的な相制御に拡張するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る