Letter

構造生物学:caa3型シトクロムオキシダーゼにおける電子伝達についての構造学的知見

Nature 487, 7408 doi: 10.1038/nature11182

シトクロムcオキシダーゼは、ヘム銅オキシダーゼスーパーファミリー(HCO)の一員である。HCOは、ミトコンドリアや好気性原核生物の呼吸鎖の末端にある酵素として機能していて、分子状酸素の還元と膜を介したプロトン移動を共役させている。酵素の機能に不可欠なのは、シトクロムcからオキシダーゼへの電子移動で、これは2種類のタンパク質の一時的な結合を経て行われる。電子の出入りは、シトクロムcの同じ部位で起こると考えられている。本論文では、好熱細菌Thermus thermophilus由来のcaa3型シトクロムオキシダーゼの結晶構造を報告する。このシトクロムオキシダーゼは、共有結合により連結したシトクロムcドメインを持っている。結晶は、ホスティング脂質として合成短鎖モノアシルグリセロールを用いた両連続メソ相中で成長させた。2.36 Å分解能の電子密度図から、新規の膜内サブユニットと、複合体中に組み込まれた無傷のグリコグリセロリン脂質が明らかにされた。水溶性のシトクロムcについて以前に観察された電子伝達機構とは対照的に、この構造は結合したクプレドキシン/シトクロムcドメインが電子伝達複合体構造を持つことを明らかにしており、シトクロムc上の電子が出る部位と入る部位がそれぞれ異なることを示唆している。これは、この種のHCOが持つ古典的なプロトンゲートの特徴とは別の構造を裏付ける結果である。

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